仕事しないことに対する罪悪感の話
罪悪感:罪をおかした、悪いことをした、と思う気持ちのことである。(参考:Weblio辞書)
勤務時間であるにも関わらずほぼ仕事しないでいることに対して罪悪感・後ろめたさを感じることがある.
これは「周囲の人はみんなちゃんと仕事しているのに」といった考えや「仕事はまじめにきちっとやるもの」という先入観が原因だと思う.
1.周囲に人はみんなちゃんと仕事しているのに
果たして本当にそうだろうか?
一体日本人のどれだけが「ちゃんと仕事をしている」のだろうか.
日本は世界の先進国のなかでも残業が多いことで有名だ.そう聞くとまじめに勤労しているという印象があるが,実際のところは非効率的な仕事ぶりでやることがなくても上司が残っているからという理由で会社に居続けるという人もまだまだいるのではないだろうか.
自分はちゃんとした企業勤めはしたことないが,かつて所属していた研究室の先輩は「〇〇先生がまだ仕事しているから帰れない」と言いながらPCでYouTubeを閲覧していた.本当に無駄だなと思った記憶がある.
それはともかく,みんながみんなきちっと仕事をしているわけでもないだろうし,程々に手を抜きつつというのが現実だろう.
というわけで,自分が多少サボっているからといって罪悪感など感じる必要なし.
2.仕事はまじめにきちっとやるもの
これはもう完全に間違った考えだ.
たしかに昔はそうだったのかもしれない.
だが,あらゆるジャンルのことが仕事になりえて,しかも昔人間の仕事とされていたこともいまやAIに取って代わられようとしている.
むしろ,今の時代に必要なのは仕事をきちっとやることよりも柔軟な発想のなかで新たな概念・価値観・研究成果などを生み出すことなのではないだろうか.
これはもう疑う余地のない事実だと個人的には思っている.
となると,その自由な発想とはどういった環境から生まれいづるものなのか.
完全に自由な状態か?
それはおそらく違う.
では完全な管理下か?
それも違うだろう.
新たな発想というものは一定の制約があるなかで,なおかつ柔軟な考え方ができる余裕があるような状態で生まれるのではないだろうか.
ざっくり言えば「遊び」の状態である.
そうした「遊び」の状態を生み出す環境とは「まじめにきちっと!」ではない.
もしかしたらそれこそ「サボり」の状態から新たなアイディアが生まれることもあるだろう.たいていアイディアというのは考え尽くした後に別のことをしたり,ぼんやりしていたときに生まれるものだ.
というわけで,仕事をまじめにきちっとやっていなくても罪悪感持つ必要なし.
3.その業務は本当に必要で,自分に意味のあるものか?
自分で仕事をしていたり,他人の仕事を見ていると「無駄だなぁ,本当に必要か?」というものが割と目につく.
その代表格が書類仕事と会議,根回しなどではないか.
たしかに業務に関連して書類というのは必要だしそれを残す意味もある.
しかしハンコ決裁やらサインやら,メールで伝えればいいことをわざわざ紙で伝えたりと本当に無駄が多いなと思う.
今,自分がいるデスクにも配布された書類などが貼られているがほとんど視界に入っていないし確認することもない.こうした事項はメールや共有カレンダー,リマインダーで報告してほしい.
会議についてはもう昔から言われていることではないか.特に日本の組織における会議というものはよく無駄だと言われることが多い.書類を読むだけ,とくに意見表明もない.寝ている人もいる.新たな議論もほぼない.
完全に時間の無駄である.
こういった形式的会議は排除して,必要な会議は時間を決めてサクッと行いたいものだ.
こうした形式的な業務のすべてが自分にとって必要なことかということを問い直す必要性がある.もちろん書類仕事が本業という場合もある.
ただ自分にとって有益でないことには時間は割きたくないのは万人共通だろう.
そういったことに対しては同調圧力やしきたりにとらわれずに極力逃げよう.
逃げるというと悪いことのように感じられるがこれは「戦略的撤退」である.自分にとって不必要で時間の無駄だと戦略的に判断したのなら潔く華麗にその場を去るべきなのだ.
そして,自分にとって有益・有意義であると考えることに自分自身の時間を割こう.
集団組織のために自分という個人が存在するわけではないのだ.
誤解を恐れずに言うなら,自分という個人のために集団組織の必要なことだけをうまいぐあいに吸収・利用していけばいいのだ.
4.まとめ
- みんながみんな真面目に仕事しているわけじゃないので大丈夫
- 自由な発想のためには仕事以外の「遊び」が必要
- 自分に有益でないものに対しては「戦略的撤退」を
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